女木島断片回想 (その5・おわり)
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 島への長期滞在組は作家、準備室、ボランティア、とまぜこぜでした。
 なのでときには運営サイドで、ときにはボランティアの彼女ら(彼ら)の新鮮な視点で
 いろいろなことを眺めることになりました。
 とりわけ 何人かは作家たちにとっての熱心な観客でもあり、生徒でもあってくれたので、
 逆にこちら側も得るものが多かったように思います。
 みなさん、楽しくて有意義な時間をありがとう。

 また、見に来てくれた作家たちからも、面白い反応を得られたように思います。
 彼らが何を見て、感じているのだろうと、またいろんな側面から、
 何回も今回の島での展示(全体)を見なおしてしまいました。
 
 
 
 今回得られたものは、自分の中で熟成されて
 今後なんらかのかたちで自然と出てくるのでしょう。
 あるいはまったく違ったものが出てくるかもしれないし、
 とにかく今後も自分が面白いと思ったことをやっていけたら。


 
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 女木島回想、今日で終わります。

『ありがとうございます』の回でこれらのことを書こうと思ったら長くなりそうだったので
 すっかり10月に入ってしまったけれど、だらだら書きました。
 おつきあいありがとうございます。

 まだまだ書きそびれたこともあるし、お礼を言い足りない人もいるんだけれど、
 それは個別にまたさせていただきます。

 

 

 
 
 
女木島
女木島断片回想 (その4)
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 準備室のみなさんにも本当にお世話になりました。
 実際に関わってみると、ほんとうに少人数でやっていて驚いた。
 それぞれの通常の仕事をこなしながら、
 少数精鋭でまわしていく結束力には頭がさがりました。
 とりわけ僕はつくり手である岡・松村両氏と一緒にものづくりができて本当によかった。
 
 今回、何度か取材を受けて、「なぜ家をつくろうと思ったか」と聞かれたけれど、
 そしてその度にうまく答えられなかったけれど、
 いちばん正直な答えは「なんにも考えてなかった」だと思う。
 なんとなく流れでそうなった。
 そこに岡さんと松村さんがいたから、この2人にいろんなことゆだねることが出来たから、
 あるいは女木島にきれいな砂浜があったから。
 僕が今回いちばんうまくいったなと思ったことは、
 いろんなことをうまくゆだねることができたこと。
 もちろん何度か選択を間違えかけはしたけれど、そのたびにこう、くいっ、くいっと、
 どうにかこうにか修正しつつ辿り着けた。

 熊谷さんのワークショップを体験中、丸く平らにした土を、
 器のかたちに掘った砂浜にぽんと置いた瞬間に、あ、これと同じだと思った。

 で、終ってみて、みなさんに来て、見て、入っていただいて、
 ちゃんと、これしかなかったな、って。


 まあ、こんなんじゃ、いまだにちゃんと答えられないですが。

 
 
 
 
女木島
女木島断片回想 (その3)
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 ボランティアスタッフのみなさんには本当にお世話になりました。
 
 暑い中、浜辺に立ってくれたみなさん。
 地元の高校生から専門学生、子連れのお母さんまで、それぞれ接する時間は短かったけど、
 島での展示ならではののんびりした時間を、ときには賑やかで開放的な時間を共有できて
 貴重な体験をさせてもらいました。
 終わってみれば、彼ら(彼女ら)と話した会話や風景も、今回の浜辺での展示を構成する
 大切な要素だったと思えてきます。

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 会期前の大潮で浜辺にうちあげられた想定外の大量のごみ。
 前日の夜、岩谷さんが呼びかけてくれて、
 初日の早朝から、まだまだ自分の準備もあるのに手伝ってくれた作家たち(とその家族)。
 
 会期が始まってからも展示中暑いさ中ごみを拾い続けてくれて、
 恩塚さんいわく「彼がいいじゃない」と、すっかり作品の一部になっていたSくん。
 お客さんが歩いてくる浜辺も気になりだして準備室のHくんも加わって男3人での朝のゴミ拾い。
 クラフトフェアと重なり、人が手薄になりかけた2度目の週末の朝には、
 若手男子ほか強力な助っ人も来てくれて、ついつい途中でやり残しになっていた分のごみを
 一気に片付けることができました。
 
 そして最後に手つかずで残っていた一番奥の浜辺も大勢のボランティアの人たちのおかげで
 きれいになり、月曜の早朝には島のみなさんが総出で大量のごみ袋を回収してくれたり
 燃やしたりしてくれて、最終日はほんとにきれいな状態で臨むことができました。
 
 でも、どの一日もそれがそのときの自然な、愛すべき女木の浜辺だったように思います。
 
 
 みなさんほんとうにありがとうございました。
 
 
 
 


 
女木島
女木島断片回想 (その2)
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 女木島で飲食で参加してくださったみなさんには
 仕事外の部分で本当にお世話になりました。

 僕個人のことを言えば、とりわけ体調を崩し気味になった中盤以降、
 要所要所でおおいに助けていただきました。
 と同時に、あの方たちの実力にはほとほと参りました。
 作家よりも作家性を感じた。

 僕はつくることに専念しだすとどうも食べることがおろそかになってしまうので
 この秋はしっかり身体もつくっていかなければと思うのだった。


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 差し入れのパンやらお菓子やらを何度もさらっていった黒ネコ。
 こいつはこいつで島で生き抜くために身体をつくっているのだろう。

 

 

 
女木島
女木島断片回想 (その1)
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 女木島を離れて一週間。
 名古屋に戻って5日目、ようやくいくつか荷をほどく。
 あらためて、この作家たちと一緒にできて本当によかったと思った。

 正直言って当初想像していたよりもずっとすごいことがおこった展示だった。
 
 ときには内的に、ときには実制作で、そして島での展示と滞在中に。

 長年、それぞれの場所で、それぞれの選んだ素材で、
 そしてそれぞれのやり方で独自のものをつくり続けてきた作家たち。
 互いがわかっていたかどうかは知らないが、女木島という同じ空間で展示をしようと試みた結果、
 ずいぶん奥の方でつながっていたものが反応しあい、ひりひりと刺激し合うこととなった。
 
 そんなニュアンスをなんとなく感じて見てくれるひとたちの、
 あるいは個々の展示に反応するひとたちのフィードバックを受けて、
 見えない何かがまたうねうね動き始める、
 そんなのを島での滞在中何度も味わうこととなった。
 そういう予期せぬ連鎖反応を感じたくて、結局最後まで島から離れられなかった。

 まだ恩塚さんがいてくれた初日の段階で「恩塚大賞」をいただいてなかったら、
 いい意味で、調子こいてなかったら、
 滞在中、まがりなりにもこのひとたちと渡り合えなかったんじゃないかと思う。
 ほんとうにおかしくて素敵なひとたちだった。

 おかげで考える糧とつくるエネルギーをいっぱい持ち帰ることができた。

 
 
 
 
女木島
ありがとうございました
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  瀬戸内生活工芸祭2014  終了しました。

  女木島での展示も毎日好天に恵まれ無事終えることができました。
 
  女木島のみなさん、香川のみなさん、四国のみなさん、
  そして遠方より海を渡っておいでくださったみなさん、
  本当にありがとうございました。

  











 


    
女木島
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