蔡明亮(ツァィ・ミンリャン)監督の
台湾映画『Hole-洞』。
男の住む公共アパートの部屋の床に
工事業者がぶち抜いた穴を残していく。
階下には普段すれ違うだけの女性。
降りしきる雨。
水漏れする部屋。
巷にはなぞのウイルスが蔓延。
静かに淡々と流れる灰色の時間軸に挿入される
50年代香港歌謡の歌姫
グレース・チャンの曲に合わせたカラフルな
ミュージカルシーンがふたりの心の動きを表す。
20代の半ば今は無き名古屋の
ゴールド劇場で(シルバーの方かな)
このへんな映画を観て病みつきになり
切なくもどこか幸福感のあるラストシーンが
好きでその後何度となく繰り返し観てしまった。