負けつづけても
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 春に板を仕込んだ分だけだとさすがに最後の名刺ケースの制作、出品にしては
 わびしすぎる残数なので、乾燥して最適な日をねらって一気に仕込んでみたのだが、
 惨敗した。
 左が変色して失敗した分、右が使えそうな分。
 最後まで手のかかる子たちでした。
 
 アトリエ展2回に分けた理由のひとつ。
 たとえ手間と時間がかかっても、
 まず今回の vol.1 (年内) でしっかり名刺ケースにお別れすること。


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 阪神が日本シリーズに出てくるもんだから(残念でした)復刻した黒。(下)
 黒は後々変色がはげしいことが判明したので、つくらなくなったのだが、
 そういう欠点やら弱点をかかえた子は、なんだかんだとかわいかったりする。
 1色あたり2、3個が限界だけどなるべく展示初日には、
 久しぶりに全色揃えてみたい。

 でもそんなことをいったら名刺ケースの制作に関してはこの10年間負けつづけたし、
 もっといえば僕のつくるもの全般が欠点だらけで弱点だらけ。
 だから、やめられなかった、というのもある。

 
 今年もあと2か月。

  

 

 
making
静かな余韻
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 昨日の記事ではないが、もうすっかり女木島の余韻も小さくなりかけているところにまた
 岩谷雪子さんからもメールをいただいた。
 そう、岩谷さんは女木島での展示のすぐあとに新潟での企画展をひかえていらしたので、
 島での滞在中も夜遅くまでその展示の制作をこつこつとされていたのだった。

 思い起こせば、女木島での展示会場のひとつだった「第2浴場」。
 最初自分が使う予定でいたので、打ち合わせのときの写真がけっこう残っていた。
 でも、会期前日の搬入の折、ほぼ出来上がりつつある岩谷さんの展示を見せていただいて
「やらなくてよかったー…」って心底思ったのでした。
 まさか、このFRPの浴槽もあんなことになるなんてね。

 そう思うと、あとから考えるに、いろんな意味で4月のあの下見と打ち合わせは、
 スリリングなことが起こっていたんだよなあ。
 僕もこっち取ってたら、「いえ」つくれなかったかもしれないし。

 そんな作家さんに朝食を何回かつくってもらったり、浜辺の掃除を手伝ってもらったり、
 ほんとにお母さんのような…っていうと叱られるのでやめておくけど、貴重な存在でした。
 僕の名前は何度も間違えていたけれど…(みんなの名前も)
 それと、みんなで共有の洗濯機にうっかりガラスクロスを入れて洗濯してしまい、
 あとでこっそり掃除しているのを見つけられたのも岩谷さんだった。(この件は初告白)

 そんな岩谷さんの展示、
 もう始まってしまいましたが、越後妻里、絵本と木の実の美術館 にて開催中です。
 (こっちのほうがわかりいいかな)
 会期も長いのでよかったら、ぜひ足を運んでみてください。
 
 ご本人は女木島の余韻に浸る間もなく準備されたとのこと。
 でも、彼女の作品は僕らの心にとても静かで印象的な余韻を残してくれます。



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 岩谷さん、夜率先して「いえ」を光らせてみんなに見せてくれていたなあ。





 
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やっぱり晴れがいい
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 先日、広島の某A氏(カープファン)からメールをいただいて、
番町工房の苅田さんのブログ見ましたか」とあったので早速拝見。

 瀬戸内生活工芸祭、
 事前の、女木島へのフェリーでのアクセスの YOU TUBE も、高松案内もいいですねえ。
 僕も行く前にこれ見ときたかったな。
 あと、てるてる坊主も圧巻。
 
 苅田さん、まずご主人とお子さんたちが女木島の展示を見に来てくれて、
 このブログで「高松制作日誌」を読んでくれていたらしく堪能してくれてました。
 翌週末には、島を抜け出し土曜のフェアの終わりがけに駆け足で玉藻会場に行ったとき、
 利恵子さんのブースを見て「ああ、あの積み木の人だったか」とつながったのだった。
 
 実は苅田さんとは同じ松村さんの工房 (山の中でトイレなし水道なしのハードな環境)での
 制作経験者という貴重な共通項があり、事前にそれを聞いていたので、
 女性なのにたいへんだっただろうなと、お互い慰労の言葉をかけあった次第である。

 
 そういえば僕は高校のとき、部活でグラウンドでの練習さぼりたくて、よく雨乞いしていた。
 雨男なのはこれの報いですかね。
 まつもと史上最悪の大雨のクラフトフェアも経験したので、
 なんでも来いって覚悟はいつもできているのだけど、やっぱり晴れがいい。
 ほんと、あらためて気持ちいの良い11日間だったですね。

 

  
 
 
 
 
notes
トラ、トラ、トレー
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 名古屋、昨日から急に冷えてきました。
 空気も乾燥してきて、ようやくクリアものの制作には最適な季節に。
 個展に向けて少しずつですが久々にトレーも。

 たびたび書いているけれど、トレー類は食器(お皿)としてはご使用いただけません。
 どうぞご了承ください。
 
 勢いに乗った阪神打線は止まらないな、このまま一気に行くのではないか
 と思っていた日曜の日本シリーズ第2戦はソフトバンク武田に沈黙させられてしまった。
 景気づけにと友人が虎屋の虎ういろを買ったのをわけていただいたが、
 よく考えたら虎を喰っちまったらだめなのか…
 (ちなみにこの使い方はぎりぎりありだと思います、紙はバーガー用のものなんで)

 以前アトリエ下にあったファミリーマートにいた当時高校生だったバイトの女の子が
 その後働いているやはり近所のセブンイレブンに一昨日宅急便の荷物を出しに行ったときに、
 前回「もうすぐ就職きまりそうなんでここもやめるんです」と言っていたので、
「どう、決まった?」と聞いたら、「はい!、ソフトバンクに」だって。
 虎とソフトバンクに敏感になっているこの頃。
 さらに「機種変更のときはお願いしまーす」って、ちゃんとしてるわ。
 
 まあ、日本一を決めるのはもちろん甲子園に戻ってからでいい。





 
notes
30代前半の頃、
 今はもうないけれど名古屋市千種区の池下というところに、
 早蕨(さわらび)という小さなギャラリーがあって、30代前半の頃、お世話になっていた。
 DMも自分でつくらなくてはならなかったし、なかなかお客さんの来ないところで
 自分でがんばって宣伝しなくてはならなかったけれど、
 おかげでそれなりに鍛えられたとは思う。
 
 前にも書いたように僕は芸大というところに行ったことがないのだが、
 2003年から2007年の4年間は僕にとっての芸大生みたいな(勝手に思うところの)時間で、
 授業や、課題のかわりにそこでは6回の個展をやらせてもらった。
 
 1.『plastic pase』
 2.『ケースの場合、』
 3.『作用・反作用』
 4.『曖昧な結婚』
 5.『6つの袋小路』
 6.『架空のきいろ』

 というのが個展のタイトルだったが、
 それぞれ、立体、半プロダクト的オブジェ、大きな彫刻、
 コラージュ的彫刻あるいは立体小説、インスタレーション、平面、と、
 まだ若かったが、今思うと結構バランスよくいろいろ試していた。


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 そこで実験していたことが、名刺ケースだったり、先日の「いえ」だったり、
 看板の仕事だったりにそれぞれつながっている。






 
notes
また少しお知らせ
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 10年前のDM。
 今見るとこの10号室の表札、右肩下がりだなあ…
 そう、10年前もちょうどアトリエで展示をしたのでした。
 
 ええと、いろいろ考えて、アトリエ展、2回にわけることにしました。
 理由はまた書きます。

 1回目は予定通り12月。
 こちらは12月5日(金)〜12月14日(日)  ※12月10日(水)はお休み

 2回目は来春を予定しております。
 来年は、クラフトフェアへの出展、その他の展示等はお休みですが、
 これだけは力をふりしぼってなんとかやりたいと思います。

 自分の場所での展示ということもあり、進行具合を見ながらなんで
 小出しの情報ですいませんが、とりあえず日程のお知らせまで。





 
information
時計の修理
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ここ何日か続いた雨のおかげで、
5月の松本以来の時計の制作にようやくとりかかれている。
個展に向けてもあるが、まずは昨年からお待ちいただいたみなさんの分も。
長らくお待たせしてしまって本当にすいません。

それからこれも昨年からお預かりしていた時計の修理。
(落下による側面部の割れ)
これに関しては初めての修理だったので、
どうやって修理しようか延々と悩んでいるうちに1年が経ってしまった。
せっかく一度使っていただいたものなのだから、パーツのとっ替えなんかではなく
うまく部分補修をできればと思って途中一回手をつけて
みたのだがこれは失敗してうまくいかなかった。
かといって大がかりに削ってしまうと、失敗したときに、
結局一から作り直しになるリスクもありなかなか勇気がでないでいたのだが、
先日のカミヤB看板の修理の折に、思わぬヒントが得られたので、
ようやくうまくいった。

でも、落としても、針やムーブメント、それから文字盤も無傷だったのは
この側面の部分が守ってくれたのだとあらためて思ったら、やけにすっきりした。

まあ、希望を言えば、落とさないでいただけるのがいちばんいいのではあるが。
という僕もしょっちゅう器を落として割ってしまったりしているので人のことは言えない。

本当は修理方法を確立してから品物を出すべきなのかもしれないけど、
こんなんでいいのかなと思いつつ、かろうじて続けさせていただいている。
Nさん、たいへんお待たせいたしました。




 
making
『海辺のいえ』 2
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 誰かが言ってくれたけど、そうだなと思ったのは、
 ものそのもをつくっているのではなくて、
 それと人との関係性のようなものを見ていたいのかもしれない。
 その間に生じる空気のあたりを。
 →






 
information
『海辺のいえ』 1
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 終わってからちょうどひと月たちました。
 すっかり秋ですね。
 会期中ズボンのポケットにずっと入れていた古いコンパクトデジカメ。
 今やすっかりスマホの機能に抜かれてしまったけれど、
 砂まみれになりながらもがんばってくれた。
 
 小さい画像ですけどひとまずこちらで。→

  
 Kヌマさん が撮ってくれたみたいな素敵なのがいつか撮りたいのだが…
 せっかちだし軽薄な僕には無理かな。
 また撮ってくれないかな。






 
information
kamiya bakery (maintenance)
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 名古屋の カミヤベーカリー の看板は制作年も古く、
 壁付けタイプのものとしては南向きで直射日光の当たる、
 ほかのお店よりも比較的ハードな場所にあるので、経年具合がもっともわかりやすい。

 昨夏の5年目のメンテ時(このときは表面の仕上げ直し)にはなかった小さなクラックが
 この春側面に生じていたので、昨日念のため外してみたら、
 裏面にもいくつかのクラックと剥離が見られた。
 ひとまずの応急処置をしつつ、原因と対策を考える。
 使い手と、ともに歩み考えるこの6年である。

 ただ、初期型なので、まだ構造もずいぶん簡素ではあったなあと、あらためて思った。
 これをつくった前年はまだオブジェやら平面作品をつくっていたので、
 閉店後の店内に外して持ってきたら、ぐっと作品の顔になった気がした。





 
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