FRPのこと 35 (シロナガスクジラ)

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 先週は東京にも行ったのだけど例の54年ぶりの11月の初雪の日でとても寒かった。

 

 そんな中、上野の国立科学博物館で開催中の

『ラスコー展 クロマニヨン人が残した洞窟壁画』へ友人が連れていってくれた。

 なかなか見ごたえがあって面白かった。

 中でも道具をつくる映像が面白くて食い入るように観てしまった。

 

 展示の中で赤色砂岩でできたランプというのがあって、

 ランプの作家としては人類史上最初期のこれについつい反応してしまい、

 ぽってりした大ぶりのスプーンみたいなカタチなんだけどシンプルな造形で、

 洗練されたクロマニヨン人の美意識とセンスには感心させられてしまったり。

 そのランプ、窪みに獣脂を燃やして使ったらしく、

 真っ暗な洞窟の中で絵を描いたわけだから照明効果としての実用度は高かったわけで

 ついつい何万年前のそういう情景を想像してしまったり。

 シカ肉はジューシーだったかな?とか。(いらん駄洒落)

 

 それから内容とは別に洞窟のレプリカや1/10スケールの模型はFRPなので

 ついついそちらにも目がいってしまうのは職業病。

 さらに会場を出たら目の前に原寸大のシロナガスクジラの模型があって、(有名なんだね)

 夕暮れのライトアップと背景のいちょうの黄色とがあいまって壮観だった。

 で、もちろんこれまたFRP製なわけで、

 調べたところ千葉の湯浅レジン工業というところがつくっておりました。

 僕は成型屋さんで働いたことがなく独学で始めてしまったので、

 一度こういう仕事も経験してみたくって

 バイトでもなんでもいいから雇ってくれないかなと常々思っているのだけど…

 

 

 11月ももうおわり。

 最終日の今日もせっせとランプ(ほか)をつくっておりました。

 みなさんがどういうふうに生活の中にとりいれてくれるのだろう?

 などと思いを馳せながら。

 

 

 

 

 

 

 

FRP
先の方に

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 12月はもうどこにも行かないでみっちりと制作漬けの毎日を送れるようにと

 先週のうちにいくつかの用事を済ませておいた。

 中には再来年や3年後につながる軽い打ち合わせもあったのだけど、

 来秋以降しばらく休業することになってもちゃんと帰ってこれるように

 少し遠いめの先の方に目印として予定をおいておこうと思った。

 

 先の方にと言えば

 もう何年も前からいつか一緒に展示をやろうと言っていた作家が2人いて、

 ひとりは今年実現したクロヌマさん。

 もうひとりは吉沢小枝(muimaur)さん。

 

 その吉沢さんから

 岡山の 倉敷意匠アチブランチ での展示の案内が届いていたのだが

 先週半ばから前述の件で関東方面に行ったり、週末は現場労働していたので

 昨日ようやくゆっくりと案内を開いたら、面白いことがいっぱい書いてあった。

 吉沢さんと話しているとよく会話に出てくるたとえば「安全ピン好き」なこととか

 吉沢さんなりの「理屈」がお店の人の楽しげな文章で書かれていたり、

 ほかにもブレスレットのことやらわりと核になるようなことが書かれていて

 あらためてこの姉さん面白いやと思った。

 それでも傍からみる側にそんな理屈がありながらとんでもなく

 自由度の高い作品群に感じさせてしまうところがとても羨ましくもあり、

 このあたりがぜひ一度お手合わせ願いたいなと所望する所以なのだった。

 

 展示は先週の土曜から始まっていて12月の15日まで。

 

 

 僕の持っている青いブローチは2年前の女木島滞在中に

 真っ黒に日焼けしてあまりにも地元の漁師然と化している自分に

 これでもつけなさいと進呈してくれたもの。

 彼女の言を借りるならこちら側は”オモテ”らしい。

 

 添えてあったメモには

「少し進めたいな、何か送るー」とあった。

 先のことではあるが、この企画も自分にとっての目印のひとつとなるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

notes
今年の展示は終了。

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 先日の「灯しびとの集い」をもちまして2016年の展示予定は終了しました。

 

 4月の名古屋でのリハビリゲリラ展示から始まり、

 普段ほとんどやらないグループ展、2人展、3人展。

 それからクラフトフェア2回。

 自分としてはかなりの強行スケジュールをたくさんの方のお力をお借りしながら

 全部紙一重のところで無事終えやり終えることができました。

 (見方によっては全然できてないじゃないかと言えなくもないけれど…)

 足を運んでくださったみなさんには本当に感謝しております。

 

 あとはお待たせしているみなさんの分の制作と来年へ向けての準備。

 まだまだいくつか大ぶりな仕事も残っているので気を引き締めていきたい。

 

 なお、「灯しびと」のあと、なぜか例年よりたくさんのお問い合わせをいただいていますが、

 先にお待ちのみなさんの仕事を優先させていただいておりますので、

 その都度スケジュールと照らし合わせながら返答させていただいております。

 何卒ご理解いただきますようよろしくお願いします。

 

 また現在、ギャラリーでの常設やお店での取り扱いをお休みしており

 展示を中心とした活動になっております。

 ご不便をおかけしますがこちらもよろしくお願いします。

 

 

 来年は3月の高松での展示からスタートします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

notes
sabot room / VINCENT COFFEE HOUSE

 

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 豊田のお店に専念されるということで今秋閉店した岐阜の sabot (サボ)さんのオープン時に

 看板をつくらせていただいたご縁から今年のはじめにオープンした

 VINCENT COFFEE HOUSE の看板、ではなくそこにちょこんとついている

 回転灯カバーをつくらせていただいていたのだが、昨日ようやく見に行くことができました。

 

 喫茶店にはパトライトでしょうということでお話をいただいたときは

「面白い」と思って嬉々としてつくって納品したものの、

 果たしてFRPでつくってどんなことになっているのやらとずっと気になっていたのだが、 

 ちゃんとありそうでないものになっていて、思わずくすっとなってしまった。

 

 この建物、もとがどうだったか一度見ているので、店内に入ってびっくり。

 とても気持ちいいカフェ空間がひろがり、

 ゆったりとした気分で美味しいコーヒータイムを過ごしました。

 お子様の入店はお断りしているそうで、そのあたりにもスタイルを大事にしたいという

 覚悟が感じられて潔いな。

 お店づくりを手がけたのは同じく今は豊田の きとか の臼井さん。

 さすがの手腕。

 

 

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 2Fの sabot room からは少し見下ろす感じに。

 この日は koton さんの服の展示の最終日でした。

 いつの日か自分もここで展示ができたら。

 

 

 

 

 

 

 

around works
アフター灯しびと 3

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 デスクライトをもっと前面に押し出すはずだった「灯しびと」での出展。

 帰ってきて直前の挌闘の後をみてぞっとした。

 こ、これをラスト2、3日で全部仕上げようとしていたのか…

 やりかけのデスクライトの総数10個ほど、+テーブルランプが5個。

 いや、スケジュールを立てていないわけではなかったが、

 何かひとつの失敗で総崩れに予定が狂ってくる。

 全滅を覚悟した先週金曜日の午前だった。

 

 同時進行の罠。

 さらに別アイテムを同時につくるリスクの高さをあらためて痛感。

 ということで、来年3月の高松での個展はランプ(とりわけデスクライト)に特化。

 今回の反省を十分に生かして臨む。

 トライアルは惨敗。

 しかしもともと叩き良化型でもある。

 命題は一点一点にちゃんと向き合えて楽しんでつくれているか。

 期待してくれたみなさん、すいません。

 ぜひ、来年の3月、高松にいらしてください。

 

 

 

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 大阪の陣、戦利品その2。

 (食い詰め浪人のくせにこんな買い物して、結婚してたら絶対怒られる)

 

 まったくの偶然なのだけど、いいなと思って手に取って買ったのはたまたま両隣とお向かいさん。

 

 隣の芳賀龍一(はが)さん(栃木)の器は、

 うどん用のどんぶりを探している友人が来たときについでに見せてもらったら色も質感も好みで

 さらにアトリエでどんぶりごはんに使うのにはベストのサイズ。

 これも生活改善計画の一環に。

 彼はFRPの成形屋さんで働いた経験ありとかで親近感。

 

 これも反対隣の南部桶正さん(岩手)の風呂桶。

 FRPで浴室防水もする自分としては風呂繋がり。

 うちは浴槽がFRPなのでせめてどこかに木の温もりがほしかったので2日間ちらちら横目に

「高いんだろうな」と気にしながら見ていたのだが、終わりがけに意を決して覗いてみたら

 とてもお値打ちだった。

 ちゃんと毎日風呂入りに家に帰りたくなるように。

 

 斜め向かいの東浩章さん(大分)の竹のカゴは友人の娘さんが買い物かごにして持っているのを見て

 あ、いいなあ。

 自分がバケツを出しているときもそうだったけど、こういうのは

「何それ?どこで売ってんの?」ってなるんだよねえ。

 自分は持ち手がないのを買ってこれはアトリエ整頓計画の一環。

 搬出のとき意外と小さな車で来ているのにびっくり。

 奇跡のような積み込みをしているのを横目に感心しつつ会場を後にした。

 

 みなさんおつかれさまでした。

 

「灯しびとの集い」HPにあがっていた昨日の辻野さん(会長)の文章はなかなか考えさせられる

 いい文章でした。

 そもそも第3回の年の5月の松本で辻野さんが見えられていて、

 そこで少し言葉を交わして応募してみようと思ったのがきっかけだったなあ。

 

 

 

 

 

 

 

notes
アフター灯しびと 2

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 今回タグカレンダーは月分の12枚が収まるケースと、

 日付分の31枚が収まるケース付きでセットにしたので、

 クラフトフェア仕様でサイズを小さくしたのにそれなりに高価なものになってしまった。

 でもチップの側面まで一枚一枚丁寧に処理してあるので末永く使っていただけたら幸い。

 で、ここいらをやっていたらランプ類にしわ寄せがいったという

 今回の反省点は完全に終盤になってあれもこれもと欲張り過ぎたことによるペース配分ミス。

 明日の振り返りはそのデスクライト。

 

 

 

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 こちらは大阪の陣、戦利品。

 当初からお目当てのふたり。

 

 左藤玲朗さんのモールのカップ。

 今回はブースに見に来ていただけたり交流会でも「こっち来なよ」と誘っていただいたり

 初めてお話しさせていただけて嬉しかった。

 そして若い人たちにもちゃんと目配せしていてさすが。

 もう少しお話したかったのだが一睡もせずの当日堺入りだったので早々に撃沈。

 帰ってからのブログの記事もあいかわらずの名文でした。

 

 それから上田裕之さんのフライパン。

 油断していたら、初日の終盤には現品は残りふたつになっていてぎりぎりゲット。

 堺終わったら、ちゃんと料理をしたり生活を整えようと(目標)思っていたので持ち帰れて嬉しい。

 奥様作の愛用の竹のヘラ(節2本入り)で炒め物、こりゃ久々に中華だな。

 お子さん無事生まれますように。

 

 ブログを読んでいるとそれぞれに物語があってあの場に集っているのだと思う。

「むこうにもここに至る物語があるのだ」と先週、幸村(堺雅人)が言っていた。

 いい台詞だな。

 

 

 

 

 

 

 

notes
アフター灯しびと 1

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 たいへんお待たせしました。

「灯しびとの集い」で現品をお取り置きさせていただいたお客様の分、本日発送しました。

 (デスクライトの配線残しはすみません、まだです)

 

 どうにかこうにか1個だけ間に合った時計(L)もまだまだ試作段階ということで

 このあとちゃんと安定してつくれるまではまだまだ研鑚を積まねば。

 それでもおかげさまでたくさんの人に見ていただけました。(※左上はSサイズ)

 

 

 

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 大阪からの帰りに伊賀のギャラリーやまほんに立ち寄って

 ようやく5日から始まっている金森正起さんの個展を観ることができた。

 8月のやいちでの3人展以降なのは同じ。

 こっちはクラフトフェアだなんて卑屈さは微塵もないのだけど

 これだけの仕事を見せつけられるとちょっと穏やかではいられない。

 ゴォォォって沸き立つものもあり、一方では自分にはどんな闘い方ができるだろうかと

 冷静に見つめ直す機会に。

 12月4日まで。

 ぜひ。

 

 追記:ちなみに灯しびとでオセロの駒を代用で入れてたアルミの箱は金森さんの。

 

 

 

 

 

 

 

 

notes
schedule 2016

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 ●「春はミセス・キッチンで。」 4月1日(金) - 4月5日(火)
      mrs.kitchen  愛知県名古屋市千種区城山新町2‐44

      終了しました。

 ●「たのしい辺境」 4月29日(金) - 5月8日(日)
      10cm  長野県松本市大手2丁目4‐37

      終了しました。

 ● クラフトフェアまつもと2016  5月28(土)、29日(日)
      あがたの森公園  長野県松本市県(あがた)1-2-15

      終了しました。

 ●「浮遊」ナカオタカシ と クロヌマタカトシ  7月2日(土) - 7月10日(日)
      GALLERY みずのそら  東京都杉並区西荻北5-25-2

      終了しました。

 ●「内田鋼一×金森正起×ナカオタカシ展 vol.02  - Sou Shin Go -」 

  8月20日(土) - 9月4日(日)
      やいち  埼玉県北本市中央26-4

      終了しました。

 ●「灯しびとの集い」 11月12(土)、13(日)

   大仙公園(催し広場) 大阪府堺市

       終了しました。

 

 

 

 

 

 


 

news
ありがとうございました。

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 灯しびとの集い 無事終了しました。

 

 おいでくださったみなさん本当にありがとうございました。

 わざわざ遠方から時計を買いにきてくださった方や、

 ずいぶん前にお問い合わせいただきながらこの機会を待ってくださった方もいて

 ご足労をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいですが、

 直接お目にかかることができてとても嬉しかったです。

 

 あいかわらずの生産量のためひとつしかないものや残りひとつになってしまったものは

 できるかぎりの取り置きをお願いいたしました。

 初日の早い時間にいらしてくださったにもかかわらずご協力くださったみなさん、

 本当にありがとうございました。

 昨晩名古屋に帰り、本日ようやく荷卸しを済ませました。

 明日、明後日のうちに発送させていただきますのでいましばらくお待ちください。

 

 また、今回も仕込みかけて本来出品するはずだったものを中心に無理のない範囲での

 注文を受けさせていただきましたが、諸々の理由でお受けできなかったものもあり

 どうもすみませんでした。

 声の多かったものに関してはいつか必ず、という思いではいます。

 

 

 尚、留守中いただいたお問い合わせメールには順次返信いたしますので

 もうしばらくお待ちくださいませ。

 

 

 2日間快晴に恵まれ、あいかわらずの直前ドタバタではあったものの

 今までの「灯しびと」の中では今回が自分にとって一番楽しめた出展でした。

 それから3年ぶりと間隔はあいたけれど過去3回の出展経験は大事だったなと

 あらためて感じました。

 もちろん出展には約5倍の倍率をクリアしなくてはならないのでそう簡単ではないのだけど、

 連続で出展するとそれなりに積みあがっていくものが多々あるので

 とても大きな意味があるなあと。

 でも堺は松本に比べて少数精鋭だし、そろそろ。

 きっと今回が「卒業」になるんだろうなあ…

 本当は樹脂の若い子が出てきて、選考で落とされる。

 それがいちばんの理想だったんだけど。

 

 

 当日、それから準備段階で今回も出展にあたりたくさんの方たちに助けていただきました。

 本当にありがとうございました。

 

 元気になって帰ってきたので明日からまたもりもりがんばります。

 

 

 

 

 

 

 

notes
快晴

 快晴のもと「灯しびとの集い」無事始まりました。

 

 猛省は週明けにするとして、とにかく初日も終了。

 みなさんのおかげでほんとに楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

 堺市の天気は晴れ。

 本日もお待ちしております。

 

 

 

 

 

 

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